2006年09月05日

文芸映画に登場したワケあり旅行の行き先は?

昭和30年代の文芸映画にはよく温泉が登場し、不倫の物語の舞台という設定が多かった。当時の温泉は非日常世界の代表格で、庶民のあこがれ。世を忍ぶ2人が人目を避け、身を潜ませるには、温泉が好都合だったからではないか。

 映画と温泉といえば、川端康成原作の『雪国』だろう。「長いトンネルを抜けると」そこは雪国、越後湯沢温泉である。東京から来た島村(池部良)が、芸者駒子(岸恵子)と一緒に風呂に入るシーンがある。

 昭和30年の成瀬巳喜男監督の名作『浮雲』に登場する温泉は、群馬県の伊香保温泉。長い間不倫の関係にある富岡兼吉(森雅之)と幸田ゆき子(高峰秀子)は、暮れの伊香保に出掛ける。金も無いので内湯のない安宿に泊まり、小屋掛けの共同浴場に入りに行く。2人で小さな木の湯舟につかって、彼女は「いいお湯だこと」とつぶやく。

 成瀬監督は温泉がお好きなようで、よく彼の映画に登場する。昭和39年の『乱れる』では、未亡人となった森田礼子(高峰秀子)と、彼女を慕う義弟の幸司(加山雄三)が、木造3階、4階の旅館が並ぶ、冬枯れた銀山温泉を行く。

 熱海温泉はよく映画の舞台になるが、傑作なのが石川達三原作、吉村公三郎監督の『四十八歳の抵抗』。サラリーマンの山村聰が、若いバーのホステス、雪村いづみと熱海へ行き、湯に入って、ビールとそこまでは良かったが、いざという時に彼女に「お嫁に行けなくなっちゃう」と抵抗され、中年男はすごすごと引き下がる。

 不倫旅行ではないが、やはり、温泉が古き良き時代をほうふつとさせるのだろう、寅さん映画でもよく温泉が舞台となった。『寅次郎恋やつれ』では島根県の温泉津(ゆのつ)温泉、『寅次郎純情詩集』では信州の別所温泉、『夜霧にむせぶ寅次郎』では北海道の養老牛温泉、まだ他にもある。第36作の『柴又より愛をこめて』では、なんと式根島の切り立った崖下にある地鉈(じなた)温泉も登場。ワイルドな磯辺の露天風呂に入っている。
読売新聞より引用

posted by ヨッシー at 20:34| 埼玉 曇り| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご紹介させていただきました
Posted by 無料 at 2008年01月24日 16:32
押し後残します
Posted by 人妻 at 2008年01月26日 15:30
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Excerpt: 銀山温泉は、奥羽山脈の山あい銀山川の 清流をはさみ、その川沿いに 大正文化の面影を残す、 三層・四層の 旅館が建ち並ぶ、情緒豊かな温泉郷です。
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Tracked: 2006-09-14 16:55